里山テレマークスキー倶楽部
2022 - 2023
これまでテレマークスキーに挑戦することを躊躇してきた方に、初めてゲレンデに立った日の感覚にに戻っていただいて、最初からじっくりとスタートしましょう、という日です。もちろん”本当に”スキーをしたことのない方も大歓迎です。
野球でもバレーでもサッカーでも、ただ棒立ちで立っていたら、一歩目が出遅れてしまい、ボールに触ることもできないしょう。スキーも同じことで準備無しで斜面を落ちだしたら、止まるまで何もできなかった、ということになってしまいます。”落ちるスポーツ”というとても特殊な運動になれていただくために、本当に大事なところを体感していただきます。怖い、と感じてしまう原因も理解していただけると思います。
全くスキーをしたことのない方は、この講習会か、「テレマークスキー体験レッスン」をお勧めいたします。
大人になると、やっぱり理屈がともなわないと、つい照れてしまったりで真剣に取り組みづらくなってしまいます。(笑)
頭で理解して、納得づくで運動した方が上達も早いと思います。
まずは自転車を例にとって、最初はハンドルを切って曲がる、速度が上がってきたら傾いて曲がる、それらがスキー板を動かす、傾ける、といった運動と同じことを感じていただきます。そして肝心な、”タイヤとスキー板の違い”を理解していただければ、”どうしていいかわからないので怖いんです!”ということも減ってくると思います。ひとつひとつ、体感していただきながら進めていきます。
ターンしても止まってしまたら面白くないと思います。続けてターンをして落ちていくことをコントロールしてこそ爽快感が生まれてきます。プルークボーゲンでは動きを止めてもバランスが取れますが、テレマーク姿勢では止まってしまうと難しくなります。これは自転車を思い出していただければイメージしやすいと思います。前後でバランスをとるときは、意外と動いている方がバランスがとりやすいんです。普段の足の動きは、歩いてるときは前後でバランスをとり、立ち止まったら横に開いていると思います。テレマーク姿勢の場合は動き続けるイメージがあった方が入りやすいと思いますよ。
なお、「白鳥は水面下では足をばたつかせている」という比喩がありますが、テレマークターンの場合は、ジョギングぐらいの運動強度で動いてはじめて、”優雅に歩いている”ように見えます。あくまで感覚のお話ですけど(笑)
まずはしっかりと動いてみましょう。その中で、”ターンに必要な要素”を一つづつ加えていくことで楽しさが増えていくと思います。
スキー全般でも、なにより一番見栄えのするポイントは、”スピード感”です。
実際にスピードは出ていたとしても、ゲレンデの端から端まで、横に移動しているだけでは、「あの人はいつになったら下りてくるんだろう?」ということになってしまいます。せっかくなら、見ている人に向かってくる滑り、ゴールに向かっていく滑りを目指したいですね。
そして、実際にスピードを上げるために必要なこと、それは”身体がスキー板に遅れないこと”です。板を踏み続けられていることを感じてください。”ツルんと滑った”状態でスピードが上がれば、それは恐怖でしかないですね。でも、テレマーク姿勢では勘違いして、この”ツルん”と力が抜けた状態で滑っていることがあるんです。なのでたいしたスピードでなくても怖く感じたりします。この部分を押えながら、徐々にスピードアップしていきます。
スピードは慣れていくことも大切です。ぜひともパノラマの3kmコースでスピードに慣れていってください。
スノーボードでもスキーでも、ギュンギュンと雪面を彫るようにキレ込んでくるターンは見栄えがします。そして実際に速いです。
特にスノーボードでは一本のエッジに両脚で体重をかけられますのでカービング(彫り込み)がしやすいと言われています。またアルペンスキーもかかとを固定していますので前傾して傾くことによりスキー板の先端から内側に彫り込むように滑ることができます。では、テレマークスキーはどうでしょう? 前傾していくと、ある一定のところまでくるとカカトが上がりそれ以上は体重を掛けられなくなってしまいます。このため、スキー板の先端から彫り込む、というよりも、ズレ動かした結果としてカービングがはじまると言った方が正しいのかもしれません。そのため、動きながらもしっかりと外向の姿勢を維持していかないと体重が板に伝わらなくなり雪面を彫り込むことができなくなります。”テレマークあるある”ですが、エッジがすっぽ抜けて横転、ということになってしまいます。(笑)
エッジは傾けてこするのではなく、引っかけるのでもなく、”彫り込む”ことにより、見ている人には、「コントロールされたターン」と感じられます。ぜひ、”高速でコントロールされたターン”を目指してみましょう。
なめらかに滑る、スムーズにターンを切り替えながら滑るためには、いちいち止まってバランスをとるのではなく、動きながらも体重をスキー板にかけつづけてバランスがとれるように意識することが大切です。
そして、なめらかに、ぎこちなく見せないためにはもう一つ、左右均等に滑ることも必要なんです。
なにも「右ターンと左ターンを同じ弧にするために数を数えながら滑る」というようなことではないんです。どちらかと言えば、運動の”癖をなくす”、という方が正確かもしれません。これは「利き足と軸足」に起因する、誰にでもある問題点です。
利き足とは大雑把には、ボールを蹴る足が「利き足」で、反対に身体を支えているのが「軸足」です。利き足は動かせるのでエッジは立つけど体重が乗せられない、軸足は体重は乗せられるけど動かないのでエッジが立たない。この結果、無意識のうちに左右で違う運動をしていることがあります。右ターンも左ターンも軸足の上に身体がある状態で滑っている、とか、軸足が外足になった時にターンに入り辛いので片腕だけ内側に巻き込むようにしてタイミングをとっている、とか。利き足が外足になった時に動かし過ぎて上体が遅れてしまう、とか、様々な癖が、実は「利き足と軸足」の左右差からでてきている、というものです。無意識のうちにやっていることなので、これは相当に意識して滑らないと修正できません。できれば普段から軸足を逆にして休む、など意識していただければと思います。なお、スノーボードは常に軸足が前で、主に利き足を動かしてターンしますので横を向いているわりに均等に動かしやすい、とも言えます。でも、僕らは前を向いて滑っているんですから、左右均等に動いていないとカッコ悪いですよね。また、山に入ってから、どんどん軸足の方向に滑っていってしまう、などというのも洒落にならないと思います。
”左右均等に滑れる”、ということは言い方を変えると、癖に邪魔されず”いつでも自由に曲がれる”ということなんです。ぜひともじっくりと取り組んでみましょう。
今シーズンは以上の3っつのポイントをあげてみました。どれか一つだけの受講も大丈夫です。
これらは検定の採点の着眼点でもあるんです。テレマークのスタンスが広いとか狭いとか、姿勢が高いとか低いとか、そんなことは個人の自由ですので、実はこんな運動の根っこを見ております(笑)
立ち止まっている時の足場、足もとの踏みしめている感触が、滑り出した時も同じ様に感じられることが大切です。
これを言い換えると「荷重」となります。
言葉では理解できても斜面を滑り出すと全く違う感覚になってしまっている場合は、スキーを外して実際に斜面を歩いて感じてみてください。恐らく硬い斜面であるほど理解しやすくなると思います。
ゲレンデスキーの経験が無く、どうも最近伸び悩んでいる、または、変な癖がとれなくなってしまった、という方は、ぜひ一度、最もシンプルな動作から練習をし直してみてはいかがでしょうか。
このような練習は、やればやっただけ、必ず足元がしっかりしてきますよ。
スキーでターンをする時にまず重要なのは外足です。しかしテレマーク姿勢でははよく「後ろ足をしっかり使いましょう!」と言われることがあります。どうして後ろ足?と疑問に思うことはありませんか。そして、後ろ足に体重を乗せようとして、ただ後ろに仰け反って(後傾して)滑っていませんか。
普段のレッスンでも必ず説明していますが、どんな時に、どんな形で、後ろ足は使われるのか、こんなところを徹底的に試していく日にします。最近どうも伸び悩んでいるという方、オフピステではどうしても落ち着いて滑れない、そんな方は、ぜひ、ご参加をお待ちしております。理屈を押さえた上で、ひたすら反復練習しながら、文字どうり後ろ足への意識を強化するためのメニューをこなしていきます。なお、筋トレではありませんので、そこのところはご安心を。(笑)
初心者向け
ゲレンデをプルークボーゲンでおりてこられる方が対象です。
道具はテレマークに限らず、山スキーや、BCクロカンなどプルークボーゲンでしっかり止まることができればご参加いただけます。はじめてゲレンデを外れて滑る方のための入門編です。シール、スキーアイゼン、ビーコン、プルーブ、軽量スコップなど、もしお持ちであればお試しいただく時間をとりますのでご持参ください。
ゲレンデをちょっとだけはずれて講習を行います。リフトとちょっとだけのつぼ足で移動できる範囲で行動しますのでツアー装備は不要です。オフピステ圧雪車などで整地されていない斜面ということですが、そこはそれ、パノラマスキー場ですので新雪ではなく悪雪講習になる可能性が高いです。春のツアースキーに向けての実地練習と考えてください。新雪も悪雪も基本は一緒で、常に両足が使えることが大切になります。
できれば、講習会の「ステップアップ・歩くように滑ろう」もしくは、「後ろ足強化の日」を受講してから参加していただくと理解も早いと思います。もちろん、通常のレッスンでもこういった内容を常に説明させていただいておりますので、一度のぞいて頂けると幸いです。
まずはやってみないと始まりません。整地で小回りのポイントを確認しながら、実際にコブの中を2ターンづつチャレンジしていきます。まずは慌てないことと体をおこすこと、そして前をしっかりと向いて滑ることを練習します。
今シーズンも、いつものシーダーゲレンデ上部のコブに加え、3月中旬からラーチゲレンデも非圧雪のコブ斜面になります。斜度があるので手強いのですが、こちらでも笑って滑れるように、コツコツ練習していきましょう。なにせコブが滑れるようになるとバックカントリーでの滑走が間違いなく楽しくなってきます。凹凸のある斜面で慌てなくなりますよ!
エッジの無いクロスカントリースキーを履いて、ゲレンデから裏山まで、縦横無尽に歩き回りましょう。もちろんテレマークターンを試します。まず、しっかりと両足で立つことの大切さを実感できるはずです。なんでテレマークターンをするのか、その理由がつかめるかもしれません。クロスカントリースキーはレンタルもあります。
なお、その日の天候やゲレンデ状況により、入笠湿原の周囲のオフピステを散策したりしますので、アウターを入れられる小さめのザックと水500ml程度をご用意ください。
なお、ご要望があればゲレンデ中心の講習も可能です。エッジの無いクロスカントリースキーではよっぽど上からしっかりと踏みつけるように体重を載せていないと減速もできません。しかしアルペン競技のレースに参加される方々は普段からそのように滑られているそうです。急斜面のアイスバーンに行かなくても、緩斜面のノーエッジクロカンで充分なスリルを味わえますよ!
イベント
講習ゲレンデ
富士見パノラマリゾート
長野県諏訪郡富士見町
事務所
山梨県山梨市下石森
TEL 090-8800-4993
mail@satoyama-ski.com